【司会】矢上事件弁護団長の塩田です。

今日は,矢上さんと,弁護団の各先生方とで,これまでの裁判を振り返っての座談会を行なうとのことで,一歩退いて司会という立場から参加させて頂きます。よろしくお願いします。

まず。最初に,この「矢上事件」の特質をおさらいしておきたいと思います。この事件は,相良村村長であった矢上さんが,助役選任決議案に賛成してもらうために,共犯者とされる元村議らと共謀のうえ,複数の村議会議員に対して賄賂を贈ったとして,逮捕・起訴された事件です。

村長自身が,助役選任案を通してもらうために,議員らに賄賂を贈るという話は聞いたこともなく,本来いびつな事件と言わざるを得ないと思います。

この事件は,事前の謀議に関与したことが罪に問われた,いわゆる「共謀共同正犯」の事件であり,客観的証拠はなく,共犯者とされる方々の供述が重要な証拠となってくるのですが,矢上氏は最初から一貫して否認し,一人の元村議は一貫して謀議の存在を主張, あと3名は取調べでは自白したものの公判廷では否認に転ずるという流れになっています。

しかし,一審では自白の信用性を過大視して,有罪判決が下されるという結果になりました。控訴審では,事件の存在を強く主張する元村議の信用性を崩すことに力を入れ,新しい証拠を提出し,被告人質問を行なって結審し,3月31日の判決を待つという状況となっています。

まずは、当事者の矢上さんの顔写真を紹介します。